[ジャム&ルイス] ジョニーに、タイム・・・いや「オリジナル・7ブン」

アルバム聴きました!じっくり何度も、という訳では無いので
これから聴き込む内に感想も変わると思いますが、
ジョニー・ギルもオリジナル・7ブンと両者ともに聴いた後には、
"R&Bという音楽が好きで良かった"と素直に思いました。


音楽を携帯プレイヤーで聴き、音楽に触れようと思えば場所を選ばず何時・何処でも聴ける時代。
曲を選び、自由に好きな曲だけを聴ける時代。
しかしアーティストの素性、アルバムで魅せるアーティストならではの世界観は
アルバムを聴く事でしか触れられないものだと思います。
そういう意味では、じっくりアーティストと向かい合える醍醐味を味わえるのも
好きなジャンルがありきという前提の下なのかなって思います。
(この辺は個々で捉え方は違うかも知れませんね。)


このジョニー・ギルにせよ、オリジナル・7ブン(ザ・タイム)は僕がR&Bにのめり込む過程で
出会ったアーティスト、バンドであり、思い入れも半端ないので聴く前からの期待値・先入観は
当然高い訳ですよ。でも両者ともに、この高いハードルを呆気なく飛び越えて来たんです。
"こういうのが聴きたかった"という願望を叶えてくれたんです。



Still Winning

Still Winning

まずはジョニー・ギルの新作から。
ジョニー・ギルの様な歌い手が、何故に15年もの間、新作がリリースされないのか
もうシンガーとしての復帰はLSGや、ニュー・エディションという器の中に限られるのかなーとも
勘繰ってみたり、今後はソロとしての新作は期待出来ないんだろうとネガティブに思ってたものです。
LSGとして2枚のアルバム、ニュー・エディションのリユニオンが2度ありましたが、
やはりジョニーが歌えば、景色が変わるんですよ。CD聴いてるだけなのに、場の雰囲気が独壇場に。
ですから今作に馳せる、期待は大きかったですね。


そしてジョニーさん、応えてくれましたよ。
今の所じゃ"2nd Place""My Love"ですかね。
通しで聴いてから、ついついリピートしちゃうのは上記の2曲です。
"2nd Place" はシンプルなピアノに導かれて歌うバラード。
これだけファルセットで歌うジョニーは初めて聴きますが、良いですねー。
かつてNE"Come Home With Me"で聴かせてくれた"しゃがれ具合"というか成熟した塩辛さも相俟って
聴きながら、思わずため息が。


続いて"My Love"、これはジャム&ルイスによるカバーです。
(オリジナルはポール・マッカートニー & ウイングス
このカバーから感じられる雰囲気、何処かで馴染があるなと・・・
そう、ルーサー・ヴァンドロスならではの解釈に似てるなと思いました。
ルーサーがカバーした"A House Is Not A Home"と言ったら大袈裟かも知れませんが
それ程、ルーサーを想起させてしまったんですね。後半のアドリブ歌い回しなんて聴いたら
もうね、言葉は要りません。


また一応、触れておくとジャム&ルイスは2曲を手掛けています。
"Black Box"と、先述の"My Love"
前者の"Black Box"はフライトタイムのジョン・ジャクソンがメインで手掛けているのでしょうか。
現代仕様のミディアムですけど、手堅い仕事をしますね、ジョン・ジャクソンという人は(笑)
ひたすら作り込むアヴィーラ兄弟とは違うテイストを感じます。


ジョニー・ギルの新作、ジャム&ルイス云々は関係無いですね。
元々がプロダクションに左右される方ではありませんし。
ただね、タラレバで我が儘を言わせてもらうと前作の"It's Your Body"が素晴らしかったもんで
ロジャー・トラウトマンとのコラボも聴きたかったなーなんて。嗚呼、ロジャー。
(実はジョニーのレパートリーの中で、"It's Your Body"が一番のお気に入りなんですよね)


いやはや。ジョニー・ギルさん、あなたは最高です。
あなたのファンで良かった。


Condensate

Condensate

で、The Original 7ven -The Band Formery Known As The Time-(長っ)ですが
こちらも非の打ち所が無く、トラックに今仕様のテイストもあったりしますけど
基本的にはザ・タイムと聞いて、イメージする楽曲像・雰囲気を何ら裏切りません。
ザ・タイムの新作を聴いて感動する現実に驚いてます。ひたすら感激。


制作自体はジャム&ルイスが軸になっているのでしょうけど、
この人達ってバンドマンだし、バンドとして機能すると活き活きしてる様に感じます。
普段は長きに渡って「新旧問わず、国籍問わず、ジャンル問わず」のプロデュース活動を、
そして常にアーティスト本位、らしさを掘り下げるプロデュースをしてきた訳だから
一番エンジョイ出来たんじゃないんじゃないかって思いました。


それとザ・タイムの魅力はジェシー・ジョンソンに因る部分も大きいと思います。
ジャム&ルイス以上に、ファンク、ロックで有り続け、己を貫く芯の強いミュージシャンシップの塊、
良い意味での"頑固オヤジ的な拘り"を感じます。最近だとチャカ・カーン『Funk This』でもジャムルイと
ジェシーがタッグを組んで制作に関わってましたし、互いに刺激になる間柄かも知れません。
両者のコラボで生まれるケミストリーが及ぼす影響は、計り知れないものでしょう。
そのジェシーのギターが、またカッコいいんですよ。ホントにカッコイイ!
それ以外に表現出来ないのかよって言われたら、カッコイイ以外に言葉が見つかりません(笑)
スリーブめくると各メンバーの写真がありますが、ジェシーは若いですね。
"ちょい悪オヤジ"って言うのかな??


で、ザ・タイムと言えばフロントのモーリス・デイ。
彼は稀代のヴォーカリストでもありません、しかしザ・タイムというバンドは
モーリス・デイが居なければ、100%成り立ちません。
キザで、クールに決めて、かといっても親近感があって、何処かトボけて見せたり
ある意味では生粋のファンカーにも感じます。やや生え際の後退は男なら共感出来る?様な
時の流れを感じられずにはいられませんが、それ以外には何時もと変わらぬモーリスですし、
それがたまらなく嬉しいですね。(失礼ながら生え際の後退具合は、トシちゃんに似てる様な?)


モンテ・モアは'01年に『This Side Of Paradise』と言う作品をリリースしていて
かつてのモンテ印のアレックス"If You Were Here Tonight"、"Do You Wanna like I Do"の様な
テイストも感じにくく、メロウと言えばメロウだけど、イージー・リスニングかカフェ・ミュージック的な作品で、
これからモンテさんは何処へ行ってしまうのかと不安になったものです。
スリーブを見て頂ければ、ジャンプしてキーボード弾いてますし、元気そうで何より?(笑)
"#Trendin'" でモーリスの"Monte Mo ・・・ Move Over!"の煽りと共にギュンギュン弾きまくってます。


さてさて願わくば、バンドツアーがあれば来日して欲しいものですが、ジミー・ジャムは多忙。
かつてジャム&ルイス抜きで来日した事があったそうですが、来年辺りは・・・如何なものでしょうかね。
Jungle Loveのモーリス&ジェロームのステップや、ミラー・パフォーマンスも観たいですね。
ジミーが来れずに、テリーは来る・・・まさかジミー・ジャム抜きって事はないか!?


"# Trendin"のPVがたまらなくカッコよくて、CDもヘビロテしてますが
"They Talkin' About Me They Talkin' About Me・・・" のフレーズが頭を離れません。
レーニング中まで、脳内リピートする始末(笑)


ジェシー・ジョンソン主導と思しき"SICK"、カッコいいですねー。
ジェシーの"Bare My Naked Soul" とか続けて聴きたくなりますね。


あーいやはや。ザ・タイムの皆さん、最高です。
あなた達のファンで良かった。