R&B Song Book "You"〜Pt.2

アナタをストレートに託した歌に、駄曲なし。
後々語り継がれる名曲。それこそ"アナタ"の世界。


今回紹介するのはキース・スウェット"For You(You Got Everything)"

Get Up on It

Get Up on It

'94年リリースの4thアルバムより。
キース・スウェットのアルバムの中でも、個人的にはベスト3に入ります。
フェイバリットは1st、2nd、そして4th。ジャケットがいいですよ。
自信過剰?な上目使い、不敵な笑みで見つめるキース。何故の自信か。


リリースされたのが'94年の夏。
当時は入院中で、1日朝夕の点滴の間はアーロン・ホール『The Trhth』と
このキース・スウェット『Get Up On It』を繰り返し聴きながら、
点滴の終りを待っていました。オーバーテーブルに置いたジャケットに
"誰コレ?なんかイヤ"、"この目つきがね・・・"と病棟スタッフには不評でした。。。(苦笑


さて『Get Up On It』を聴く度に思い出す−カット・クロース。

このアルバムは彼のレーベルKEIAからの女性3人組グループ、カット・クロースの
お披露目作品でもありました。リードシングル"How Do You Like It"ではバックヴォーカル、
艶かしいスロウ"Get Up On It"ではリードのアシーナ・ケイジがデュエットを努め、
そして今回紹介したスロウ"For You"でもアシーナの歌声がフィーチャリング。


この売り込み方は同じくKEIAから、一足先にデビューしたシルク以上。
尤も、シルクは男性ヴォーカルグループ隆盛の波に乗り"Freak Me"で全米1位を獲得。
以後、アルバムも順調にリリースを重ね、ヒットにも恵まれて
'90年代を代表する男性グループとして、その名をシーンに刻みました。


その反面、カット・クロースはクオリティの充実した内容ながら・・・
リード・シングル"I Like"はR&Bチャートでトップ10を記録しつつも、
続く"Lovely Thang"、"Surrender"と50位前後で足踏み。


'96年にキース・スウェットは"Twisted"、"Nobody"(5th『Keith Sweat』収録)で
キース自身最大のヒットを記録します。"Twisted"にはカット・クロースが、
また"Nobody"にはアシーナがそれぞれフューチャーされましたが。。。
最終的にカット・クロースはアルバム1枚でシーンから消えてしまう憂目に。


尤も、リードのアシーナはキース・スウェットの最新作『Just Me』でデュエットを
努めています。キースにとってアシーナは、デュエット・パートナーとして
自他共に認める存在と言えるでしょう。


そして"For You"
ロマンティックなタイトルナンバーも、歌えばセクシュアルに迫る。
キース・スウェットは何時だってそう。
改めて聴いても『Get Up On It』は、いい。
売れに売れた5thの陰に隠れてしまっている印象もあるけど、
彼のアルバムの中でもキース・スウェットらしい美学が詰まった作品だと思います。