7/2 手術。

6:00 起床。術前なので、当然ながら前日21時からNPO(絶飲食)、特に空腹、口渇感もなし。
7:00 排便+。もし無ければ、危うく浣腸する所だった。一安心。    
8:25 手術衣に着替え、T字帯、クリーンキャップを着用。実感が湧くも緊張せず。


8:50 担当ナースと手術室へ向かう。他にも手術へ行く患者が1名。
    皆で手術室へ向かうエレベーターへ乗り合わせる。数分、入口前で入場待ち。
   ナースと談笑。"実は1年目なんです"と、マニュアルに乗ってる感は否めないが、
   しっかりとやるべき事はやっている。人当たりもいいし、頼もしく感じる。
   やがて中央手術室入口へ呼ばれる。中で椅子に座ると、手術室のナースがID、名前、
   どの部位の何の手術かを簡単に確認。これは患者や手術部位の手違い防止の為。
   手術室本部へ誘導、多くの手術室が一面に並び、とてつも無い広さと
   重厚で無機質な空間に圧倒される。思わず辺りを見回すと、あまり見回さない様に注意される(汗
   やがて自分の手術室へ入り、名前を確認。


9:20 手術台に横たわると、目まぐるしい早さで術前準備が進む。術衣の脱衣、モニター装着、
    ラインキープ(点滴)、頭に何か塗ったぞ?何だコレ?と思う間に点滴2回失敗。
    思い出せば、麻酔科の説明時にラインで使う血管を言わなかったからマニュアル通りに
    利き腕の反対(左)の抹消(手の甲)から刺してきたが、点滴が落ちない。
    左手背の血管が潰れてる為だが、その旨を話す間にまた左から刺したり。
    麻酔科の若い女医、プライドもあるだろし、やんわり右でもいいですよと告げて
    右からラインを確保。ここから麻酔薬が注入されると早い。時計は9:25だった。
    マスクをあてがわれ、大きく深呼吸する様、指示を受ける。
    意識が遠のくというか、身体がぼんやり浮く様な、毎度ながら不思議な感覚。
    後は自分の意識が無くなるのを待って、手術開始。


11:00頃 気が付いたらフロアの担当ナースに名前を呼ばれ、覚醒を促される。手術終了を理解する。
    それと同時に患部に激しい痛みを感じる。時間を聞くと"11時ですよ"と。
    病室に戻る、"○○号、力お願いします"
    ナースの声掛けに数人集まり、ストレッチャーからベッドへ移動される。
    何となく覚えているが、よくも覚えていない。患部の痛みが酷く、仰向けでは辛く
    右を向いて寝ていた。両足にメドマー(下肢の浮腫みを取る機器)は付いてなかった。
    両足の感覚ははっきりしていた。麻酔後の痺れは全く残っていない。
    身体に付いていたのは右手背のラインと、酸素マスク。鼻から大きく吸って、お腹から吐き出す。
    この呼吸は無意識に出来ていた。痛みは10段階でどれ位?と聞かれ、"7か8"と答えた。
    時計を見える所に置き、ナースコールを握らせてくれた。ナイスプレイ。


11:30 座薬使用。効くまで30分近くは掛かると、その間、耐えられなかったら呼んで下さいと。
12:30 患部の痛みが和らぐも、まだキツイ。多少は我慢出来るレベル。10段階で"4か5"と答えた。
13:00 痛みは自制内、気持ちも落ち着いてくる。尿瓶で排尿あり(300cc)
    自分で尿瓶を取ろうとしたら、"呼んでくれていいのに"と注意される。
    酸素マスクは14時にオフになるとの事。流量計を見ると3リットル、意外だった。
    てっきり1〜2リットルかと思ってた。外された枕を戻して欲しいと頼んだら、
    麻酔がまだ脳に残っている事もあり、頭を上げると気持ち悪くなる事もあるので
    もう少し待って欲しいと。


14:00 sat(血中酸素飽和度)も100%、酸素オフ。ルームエアに切り替え。
    但し、枕はまだ待って欲しいと。
14:30 ベッドUp可との事で、枕を戻し15度まで上げてみる。
     麻酔の切れは良く、吐き気は全くない。この調子で行けば夕食摂取にも問題ないだろう。
     痛みは酷かったが、これだけ楽な気分で術後過ごした日はなかったので、安心。
     主治医訪室。夕食も出るし、術後、最初の離床は看護師と一緒で、その後は歩いていいと。

15:00 ナースラウンド。"歩くのは次のトイレとか、何か用があった時にしましょうね"と。
15:30 ベッドUp、46度。少し長く寝ているだけで腰が辛くなってきた。
15:40 まだ尿意は少しだったけど、トイレへ行こうとナースコール。担当ではないナース訪室。
    トイレというより、単に起きたかっただけ。起床時に起立性低血圧等の症状なし。
    病室内のトイレで排尿+。
16:00 担当ナースにトイレへ行った事を告げると驚いていた。
    "ちゃんと看護婦さん呼んでくれました?"と。術後の容態をしっかり看てくれていると実感。
    1年目だし、こっちが逆に言う事聞かないと、担当のナースが先輩に注意される事も有り得る。
    ちゃんと患者に注意しないから、といった事で。そんな光景は仕事でよく見てきたので、
    今日は患者としてきちんと言う事を守ろう、と思っていた。今までは安静度を無視して
    点滴があるのに一人で着替えたりとかしてたし。。。


16〜17:00 入眠。手術のストレスから開放されたか、気分良く休めた。痛みも自制内。
    下半身はT字帯だったので、着替える。上半身は点滴もあるので、担当ナースにも
    必ず手伝うと言われた事もあり、自制する。
17:00 ナースに飲水の確認を取る。喉は渇かないが、口渇感が強く、湿らせたかった。
    ラウンジへ歩いて、エビアンを買う。20時間ぶりに身体に入るものだし、
    いい水を身体に取り込みたかった。
    深呼吸をすると、麻酔の臭いが鼻の頭を抜けていった。
    帰室して、洗面所で歯磨き、洗顔を済ませてから水を飲んだ。
    特別ウマいと感じる訳でもなく、夕食前に胃腸を動かす準備をしたつもりだった。200cc摂取。
17:30 遅番のナースがラウンド。上半身の着替えを手伝ってもらう。
18:00 夕食。ご飯、魚のムニエル、野菜のスープ煮、カリフラワー、人参のピクルス。
    病院食はまずいと言うが、決まった予算内で塩分、カロリー、様々な疾病を持ち
    多くの患者が極力同じ物を食べられる様、工夫されて作られたのが病院食。
    栄養管理課が裏でどんな努力をしてるか知られてないだろう。
    仕事で多く関わる事があるが、本当に大変らしい。

    
18:30 フロアのトイレへ行った後、主治医チームと会う。歩いてる姿を見て"大丈夫そうですね"と。
    実際、確かに大丈夫だった。
21:00 消灯。
22:00 術後、最初の夜だし止めとこうと思ったが・・・観てしまった「レッドカーペット」
    笑いを我慢するのが辛い!患部が痛い!でも笑えたのが嬉しかった夜。
    吐き気と戦う夜かと思ってたのに、TV観て笑って、患部が痛むなんてラッキーだ。
    声を出して笑うと他の患者に迷惑だし、声を出さずに笑うのは、労力が要るみたいだ。